BALYOの2024年インパクトレポートを読む
業界の背景
乳製品は動きが早く、腐敗も早い。パレタイジングから発送までの遅延は許されません。
業種
- 現場の活動内容:温度管理された乳製品の製造
- シフト数:3交代以上
- 国:ニュージーランド
- 用途:生産用パレットの搬送、狭小通路への保管、高密度ブロック積み
チャレンジ
- コールドゾーンでの手動パレットハンドリングにより遅延が発生
- FIFOストレージと動的な出荷フローが必要だった
- 空パレットの回収が非効率的だった

ソリューション
BALYOが配備した:
- LOWY:最終工程から保冷庫へのパレット搬送
- REACHY:高層ラックへの配置および出荷前ステージング
- 空パレット:リサイクルと再利用のための循環フローを構築

手作業の混乱からスケーラブルな自動化へ
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パレット運用の現状
完成した乳製品のパレットは、包装後すぐにBALYOの自律型スタッカーLOWY CBによって自動ピックアップされます。これらのロボットは断熱通路を通って、高層ラックの隣に設けられたダイナミックな低温保管バッファゾーンへと搬送します。
その後、REACHY自律型リーチトラックが引き継ぎ、冷蔵対応ラックへパレットを格納します。これらのロボットは低温環境下でもスムーズに稼働するよう設計されており、最大11メートルの高さでも速度を落とすことなく安定した格納が可能です。
本オペレーションは、賞味期限の維持と食品安全基準への適合を目的に、FIFO(先入れ先出し)原則を厳格に適用しています。到着時、顧客のWMSまたはBALYOのStorage Optimizerが各パレットの賞味期限を記録し、効率的な回収ルートと時系列ローテーションを両立する保管位置を動的に割り当てます。
リアルタイムWMSロジックによる厳格なFIFO制御により、乳製品の鮮度と安全基準が確実に守られます。
出荷指示が発動されると、REACHYがFIFOロジックに基づいてパレットを取り出し、温度管理された出荷レーンにステージング。常温への露出を最小限に抑え、迅速な積み込みが可能になります。
生産向けの補充も完全自動化されています:
- 生産エリア近くの空パレットが減少すると、LOWY CBがインバウンドエリアから衛生処理済みの新しいパレットを供給
- 同時に、完了バッチで使われたパレットは回収され、洗浄・再利用または保管フローへの再統合のためにルーティングされます
Storage Optimizerは、在庫変動・出荷優先度・内部交通を考慮し、保管および取り出しルートをリアルタイムで再計算。また、出荷スケジュールや地域の温度予測に基づき回収戦略を自動調整し、輸送中のコールドチェーンを確実に維持します。
温度耐性を備えたロボット、リアルタイムWMSとの連携、エンドツーエンドの自動化を組み合わせることで、この乳製品工場は途切れないコールドチェーン管理、短いリードタイム、廃棄削減、そして一貫した高品質を実現しています。
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自動化が成長に不可欠だった理由
乳製品製造は時間との闘いです。製品の鮮度と法規制の遵守には、1分1秒が重要です。
手作業では時間がかかり、ミスが発生しやすく、冷蔵環境では身体的負担も大きくなり、賞味期限超過や出荷遅延のリスクを高めていました。
自動化により、補充サイクルを高速化し、人為ミスなしでFIFOを徹底。冷蔵ゾーンでの人手依存を減らし、厳格な食品安全基準を安定して満たせるようになりました。
その結果、スループットが向上し、廃棄ロスは削減され、ピーク時でもコールドチェーンの中断が発生しません。
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スケーラビリティの要因 – 今後の成長にも対応
現在のシステムはスケーラビリティを前提として設計されています。
生産ラインの追加や保管スペースの拡張にも、大規模なインフラ変更は必要ありません。
同一のロボットソリューションは複数拠点にシームレスに展開可能で、真のエンタープライズグレードの仕組みを実現。各倉庫の「事前把握・準備」が可能になります。
生産能力の拡大、新拠点開設、国際展開など、あらゆる成長フェーズに柔軟かつ再現性高く対応できる自動化モデルが整いました。
結果
- 手作業による遅延のない24時間365日の出荷フローを実現
- スマートな保管により賞味期限を最適化
- 再利用可能なパレットサイクルで持続可能性を向上
